特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会

 都市OS利活用協議会

Vision


データ仕様を共通化するコミュニティー活動

■情報を有効に活用するために

 都市であっても山間部であっても、人が生活するには情報が必要であり、また生活すると情報が発生します。例えばバスや電車などの交通機関を例にとると、時刻表や乗車人数は全て有用な情報となっています。これらの情報はそれぞれの事業者が保有していますが、もしこれらの情報が公開可能であれば、自治体にとっては都市計画の材料になり、小売店にとっては出店計画や品揃の検討の材料になります
 情報を活用しようとする際に課題になるのは、以下の二点です。
  • 情報を掲載する帳票などのフォーマットの共通化
    もし、事業者毎に帳票が異なっていると、情報を活用する際に手間がかかります。このため、どの帳票にどんな項目を盛り込むかが、事業者が変わっても同じである事が望ましいです
  • それらの帳票に書き込む値の共通化
    帳票が同じでも、登録されている値がバラバラだと意味がありません。例えば乗車人数の例だと、ある事業者は一時間あたりの総人数を登録しているのに、別の事業者は車両一台あたりの乗車人数を登録していたのでは、合計などの計算が出来ません。また、ある事業者がバスのことを「バス」の記載しているのに、別の事業者が「乗合自動車」と記載したのではやはり手間がかかってしまいます。この様に、各帳票の各項目にはどんな値を登録するかについても共通化しておくのが望ましいです。
さて、情報をコンピューターで処理する場合も全く同じです。多少用語は変わりますが、上記の考え方には何も変わりがありません。本ホームページは、コンピュータによる情報の利用を前提としていますが、前記の「帳票」や「項目に登録する値」などと言う一般用語とエンジニア用語を併記します。好みに応じて、読み分けて下さい。ご参考までに、一般用語とエンジニア用語をこのページの最後に掲載しておきます。

■コミュニティーの必要性

 人に生活するのに必要な情報に関する全ての帳票をトップダウンで完璧に定義することは現実的ではありません。余りに膨大な種類の帳票を定義しなくてはなりませんし、人の生活自体がどんどん変わっていってしまいますので帳票もどんどん改版していく必要があります。従って、情報を持っている団体や情報が欲しい団体が集まり、共にニーズとアイデアを持ち寄って帳票を決める場が必要となります。決められた帳票は、公開され、新しいニーズやアイデアによって進化していく必要もあります。この場では、当初は単純で限られた帳票から共通化する事になりますが、時間をかけて徐々に対象とする情報の範囲を拡大していくことになります。
 特定非営利活動法人日本PFI・PPP協会は、その様な場とするために都市OS利活用協議会を設置いたしました。都市OS利活用協議会(以下、「本協議会」)は多様な自治体や民間団体が参加することが可能です。勉強のためだけに参加する事も構いませんし、自社が持っている仕様を公開するために参加することも構いません。

■データ仕様を共通化する活動

 ここで「データ仕様」とは、帳票のフォーマットや項目の値に関するルールなど共通化する決めごと全般を指している用語です。適当な用語が見つからなかったため、本協議会では「データ仕様」という用語を用いています。
 データ仕様を共通化する活動は、大きく分けて、仕様共通化の意義や成果を広める活動、仕様策定に関する活動、そして仕様策定後の活動の三つに分けられます。以下、順番に紹介します。

〇仕様共通化の意義や成果を広める活動
 本協議会では、2ヶ月から3ヶ月に一度程度の頻度で先進自治体や有識者を招いて会員向けのセミナーを開催しています。また、少し技術寄りですが、「都市OS勉強会」など、市販の本では得られないような知識も得られます。

〇仕様策定に関する活動
 共通化するデータ仕様の検討は、データ仕様共通化検討WGを本協議会内に設置して検討します。このWGには本協議会のメンバであれば誰でも参加可能ですが、必要に応じて外部の有識者も参加頂いてデータ仕様の検討を進めます。

〇仕様策定後の活動
 データ仕様共通化検討WGでデータ仕様を策定し、協議会で承認されたら、本ホームページに公開します。公開した仕様は誰でも利用可能です。データ仕様に対する新たなニーズやアイデアを見つけたら更に議論を重ねて仕様を強化していきます。
 従って、本ページに公開している仕様は「こうすべきだ」「この範囲で設計しなさい」という、データモデルの利用者の参加者を縛るものではありません。具体的には、以下のスタンスでの活用を求めています。
  • データ仕様を策定する際には、個々にサイロに設計するのではなく、本ホームページに掲載しているデータ仕様を出来る限り採用してください
  • 掲載しているデータ仕様に不足があるときには、追加すべき仕様を提案してください。この提案は、具体的な仕様でも構いませんし、「こんな情報も追加したいのだけれど」という相談でも構いません
  • 提案は、協議会内で共有され、議論されます。議論の結果はデータ仕様に反映され、一般に公開されます
  • 尚、システム固有の仕様を独自に追加することも可能です。その場合には、準拠規格に記載した命名規則で仕様追加してください。この命名規則に従っている限り、本協議会で将来策定するデータ仕様と、名称が被ることはありません
詳しくは共通仕様の使い方をご覧ください。

■データ仕様に含まれる仕様

 本ホームページで公開しているデータ仕様には以下のものが含まれます。
  • 帳票のフォーマット(データモデル)。例えば、「法人を表す帳票には"法人名"と"住所(所在地)"を格納しておこう」などというものです
  • 帳票の項目に登録する「値」。例えば、「金網などで作られた塀は"フェンス"と呼ぶことにしよう」などというものです
 尚、データ仕様を策定するにあたっての約束事も公開しています。詳しくは、準拠規格を参照してください。



著作権

 本ホームページの著作権の取り扱いは、以下の通りです。

  • 本ホームページのすべての著作権は、特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会(以下、「本協会」)に帰属します
  • 本協議会およびデータ仕様共通化WG(以下、「本WG」)参加団体は、それぞれの団体内で使用する場合に限り、事前の連絡なく本書の一部または全体を引用する事が可能です
  • 本ホームページを引用する場合は出典として「特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会 都市OS利活用協議会」を明記する事とします
  • 本ホームページの「策定データ仕様」は、本協議会および本WGへの参加の有無に関わらず、下記の活動についてはホームページへの公開部分について利用可能です

- 公共団体による、公共施設の施設管理に関する調達、およびそれに付随する活動
- 公共施設の施設管理を行う団体による、公共施設の施設管理に関する提案、およびそれに付随する活動
- ホームページを引用する場合は出典として「特定非営利活動法人 日本PFI・PPP協会 都市OS利活用協議会」と引用したURLを明記する事とします
- 但し、データ仕様の変更や拡張を行う場合は、事前に協会と協議し、データ仕様の共通化に協力する必要があります
  • 本節の各項に関わらず、事前に申請して了解を得る事を条件に、広く活用頂く事を目指します


ご参考: 一般用語とエンジニア用語

 ご参考までに、一般の生活の中で人間同士が情報をやり取りする際の用語とコンピュータ同士でデータをやる取する際にエンジニアが使う用語のざっくりした対比を掲載します。もしエンジニアがやってきて右側の言葉を発したら、「ああ、あのことね」と聞き流して頂けると幸いです。

一般の活動の中で情報をやり取りする際の用語 コンピュータの中で情報をやりとりする用語
情報 データ
情報交換、報告、通知 データ連携
帳票のフォーマット データモデル
帳票の項目 属性、アトリビュート、プロパティー
帳票の項目に登録した値 属性値、バリュー、プロパティー値
帳票や項目関する体系やルール全般 データ仕様、オントロジー